世界全体で見ると、約22億人が安全な水を確保できていないとされ、約42億人が安全に管理されたトイレを使うことができないとされています。それらが原因で毎年200万人以上が病気で命を落としています。そこで、「水」のみならず「トイレの整備」が特記されています。
安全な水の確保のために
水道などのインフラ整備
生態系保全
トイレの整備
水問題を解決するには
河川、湖沼、海などの水圏生態系の保護は、水生生物だけでなく水質や水量、水辺地の保全にもつながります。
水と衛生設備(トイレ)の支援
NPOや企業などによって、途上国での井戸の建設や衛生的なトイレの設置、下水整備などの支援が行われていますが、まだ十分ではないのが現状です。
治山治水
山や川などの国土を改修して国民が生活しやすいようにすること。
「治山」は植林などを行って山を整備すること。
「治水」は洪水や土砂崩れなどの水害が起こらないように、河川を整備すること。森林伐採などによる地球の砂漠化や温暖化が進行している地域で必要とされています。
カンボジアのトンレサップ湖、ここでは湖に浮かぶ家で暮らしている人々がいます。
生活に必要な水を湖から得て、排水やし尿はそのまま湖に流しているため、人口が増えると湖は汚れていました。その水をたくさん飲んだたくさんの子どもたちが病気で苦しんでいました。
湖の汚染を食い止めようと、水上浄水設備、「ハンディポット」を普及するプロジェクトが始まりました。排水やし尿に含まれる有害物質をドラム缶内で処理し、ホテイアオイなどの植物や微生物の働きによって吸収・分解する仕組みです。地元にある素材でつくることができ、比較的値段も安いため、多くの水上生活者が取り入れてくれれば、生活に由来する水の汚染を軽くすることができます。
アフリカ・エチオピアでは、清潔な水を得られない人がたくさんいます。デザイナーのアルトゥロ・ヴィットリは、別の水源から水を集めることを考えました。それは、空気中の水蒸気です。「Warka Water(ワルカウォーター)」という給水塔の心臓部は、ナイロンやポリプロピレンなどの繊維でできた網で、水滴をくっつけて集め、この心臓部分をイグサや竹を編んでつくった骨格でカバーしています。
ワルカウォーターで集められる水は1日100ml程度。空気中には地球のすべての河川の8倍の水が含まれているとされています。それを有効活用しようというすばらしいアイデアです。