貧困の解消は途上国だけでなく先進国でも重要な課題です。
「国際貧困ライン」
1日1.9ドル未満で暮らす人の比率のこと。
1990年、貧困の数は、約18億9500万人(約36%)でした。
2015年、その数は、約7億3600万人(約10%)まで減少し、
世界の貧困率は低下しつつありますが、いまだに約10%の人々が極度の貧困状態
にあります。
「多次元貧困指数(MIP: Multidimensional Poverty Index)」
国連開発計画(UNDP)が2010年に導入した新たな貧困の指標で、
健康、教育、生活水準の3要素から複数の種類の貧困がどのように重なり合っている
か、多次元貧困状態にある人の割合を示すもの。該当した指標の合計値が3分の1を
超えた世帯人数が貧困者とされ、全人口との割合を求めたものです。
この数値で見た場合、低所得国よりも、中所得国で貧困に陥っている人が多く、
約13億人が貧困状態にあるとのことです。
教育
①就学年数(1/6)就学経験年数が6年以上の世帯員がいない
②子どもの就学(1/6)学校に通うべき年齢の子どもが就学していない
健康
③子どもの死(1/6)過去5年間に子どもが亡くなった
④栄養(1/6)栄養不足の成人または子どもがいる
生活水準
⑤電力(1/18)電気の供給がない
⑥衛生(1/18)下水設備がない、または他の家と共有している
⑦安全な飲料水(1/18)安全な水が得られない、または水の入手に往復30分以上かかる
⑧床(1/18)家の床が泥や砂、動物の糞など
⑨炊事用燃料(1/18)糞や木材、木炭で料理する
⑩資産(1/18)ラジオ、テレビ、電話、自転車、二輪車、冷蔵庫、自動車、トラックの
いずれも持っていない
※ カッコ内は、各分類のウェイトです。
相対的貧困
先進国で相対的貧困の課題があり、日本では6人に1人が月に10万円以下で暮らす
状態で、特にひとり親家庭、とりわけ母子家庭への支援は重要な課題とされています。
1983年にバングラデシュで「グラミンバンク」は、経済学者のムハマド・ユヌスにより設立された銀行です。無担保で少額を融資する「マイクロクレジット」を行っています。
借り手の97%は女性たちです。
たとえ少額でも資金があれば、ミシンを買って洋服を仕立てたり、雑貨をつくって売ったりすることができます。
ここで重要なポイントは、マイクロクレジットは「慈善」ではなく「融資」です。
返済の義務を負わせることで、借り手の自立を促します。
奈良県の安養寺の住職が立ち上げた、NPOの「おてらおやつクラブ」は、お寺のおそなえとして食べ物がたくさん寄せられていて、それを仏さまからの「おさがり」として困っている人へ「おすそわけ」を、と考えました。
趣旨に賛同するお寺と支援団体をマッチングし、支援団体を通じて必要なところへ食べ物やお菓子を届ける活動を行っています。